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銀河鉄道の夜 [芝居]

たまにはお芝居の感想もちゃんと書こうと思い…11月上旬に東京と大阪で観劇してきた劇団ひまわりのミュージカル「銀河鉄道の夜」の感想を載せてみます。
mixiでアップした感想なのですが、多少加筆修正しております。
かなり長々書いていますが…

内容はほとんど原作通りですが、脚色されて話が分かりやすくなっていました。
今回の音楽は生オケということで、オープニングはスクリーンに様々な空の様子を写し出しながら、オーケストラの生演奏で始まります。
オーケストラは舞台下手の奥。舞台は2段になっていて、奥に高い舞台が設置されていました。

演奏が終わると下手にジョバンニ、上手にカムパネルラ。そして高い所に幼少期のジョバンニとカムパネルラが登場。
原作ではいきなり教室から始まりますが、舞台は幼少期のジョバンニとカムパネルラのやり取りから始まります。

教室に舞台は移り、この辺りは原作通り。
先生に当てられて自信をなくして答えられなくなるジョバンニと、自分も答えられなくなるカムパネルラ、それをちらちら見やる二人がなんだかきゅんでした。
先生はマモの声で、すごく良い声。優しい先生だと思う、うんうん。

場所は変わって活字拾いのシーン。
すごいバタバタした感じが伝わってきた。
ジョバンニのあわあわした感じが可愛いすぎでした。虫眼鏡を持って、一緒にぐるぐる回ったり、おろおろしたり…。
このシーンの歌が意外と頭に残っています(^^;)

働いて帰宅したジョバンニ。
そして同時進行で高い所ではカムパネルラとザネリ、クラスメイトがケンタウル祭のためのカラスウリを取っている場面。
カムパネルラがジョバンニも誘って良いかとザネリに尋ねます。
ザネリから二人って幼馴染だったっけ?って問われ、ジョバンニも母にカムパネルラとの思い出を話し始め、幼少時代の汽車の思い出話をするカムパネルラとジョバンニの声が重なるのですが、なんだかジーンとしてしまいました。
なんだかこの二人の組み合わせ、意外と好きかもしれない…

牛乳を取りに行くついでにケンタウル祭を見に行くと言って出て行くジョバンニ。
自分の後を付いてくる影とのガタンコガタンコ~のダンスが印象的でした。

クラスメイトたちと遭遇し、ザネリに一緒に来るか?って言われて、喜ぶジョバンニとそれを嬉しそうに見るカムパネルラ。
でも、カラスウリを持っていないから駄目だと言うザネリの言葉に、カムパネルラがジョバンニの分も取ってきたカラスウリを投げるけれど、それをザネリに邪魔されて。
クラスメイトたちにからかわれてその場を逃げ出すジョバンニ。
カムパネルラはこの辺りは顔の演技。 ばーちょん凄いなぁ、と思いました。
ザネリがジョバンニを誘った時の嬉しそうな表情。「ジョバンニのカラスウリはここにあるよ」と言わんばかりに笑みを浮かべてカラスウリを投げる表情。それを阻まれた時の曇った表情。ジョバンニが掃けた後のザネリと対峙するときの表情。絶妙だと思いました。
入れ替わりでジョバンニが出てくるのですが、どうも何度見てもジョバンニが頂から飛び降りたシーンがよく分からないのですが…
舞台は銀河鉄道に。
列車にはジョバンニとカムパネルラは通路を挟んで隣通しに座っています。
この辺りは原作と同じような感じかな。 原作では前後だったと思いますが…
カムパネルラはケンタウル祭で船から身を乗り出して川に落ちたザネリを助け、自分が死んでしまいます。…という前提で、それを臭わせるシーンが各所各所に用意されていました。

まず列車に乗ったばっかりのシーン。
身を乗り出してリンドウを取ろうとするジョバンニを慌てて引っ張るカムパネルラ。その後青ざめて席で固まるのですが、多分ザネリが落ちた時のこととダブったんだと思います。

白鳥の停車場で降りた二人は発掘をしている人たちに出会います。
ボスと手下の3人。
ココは笑いの場ですね。 緊張がほぐれます。
ボス(=牛の先祖のこと)の発掘調査をする4人との掛け合いが絶妙で、ブラックカムパネルラが発動。カムパネルラ壊れてます(笑)
ボスは牛の先祖だと言う説明に、ジョバンニはボス掘りのボス(人間)が牛の先祖だと勘違いして、ふとお母さんの牛乳を貰いに出た途中だったことに気付きます。
「牛乳ありませんか!?」っていきなり言い出して、ご先祖が牛だったら牛乳あるでしょ?ご先祖がメスの牛とか…なんて言い出すので…可愛すぎだろ、元気!!!!!と思った(笑)

ボスにどこからみても人だろ!ホモサピエンス!!と言われ、元気が「ホモ…?」っていう度に「サピエンス!」という発掘隊。
ボスの持つピコピコハンマーで攻撃されて気絶するジョバンニ、それをガタガタガタガタ起こそうとするカムパネルラ…っていうか、ばーちょん。ここら辺、皆素っぽくて、それがかえって面白かった(笑)
ジョバンニが確かにカムパネルラは好きだけど…とかって言いながら目を覚まし、俺は(ホモとは)違う!と言いながらカムパネルラの元からさって発掘隊の4人の元に駆けつけ、5人でカムパネルラを(お前ホモ!?)みたいな目で見るんですけど、カムパネルラはその視線を浴びて「ふっ」って感じにナルシーに前髪を書き上げます。
ちなみに、大阪楽ではアドリブでちゅっちゅっちゅっ…ってキス飛ばして…。
ちょ、おまっ…死ぬる!!!!!!

もう一つこの場面でアドリブが。
人の乳から牛乳は出ない!!ってボスに言われたジョバンニが、ちょっとぽっちゃりした手下役の斉藤さんを指差し「ほら、進化形」と言い、それをきっかけに日替わりネタが繰り広げられます。
2、6夜は柳原加奈子ネタで「いらっしゃいませぇ~↑↑」ってばーちょんに絡んでいくのですが、ばーちょんが「うるせぇよ!!!」とか「きもいよ!!!」ってカムパネルラらしからぬ返しをします(笑)
6日昼はピカチュウネタで牛チュウ。びびびびび…ってカムパネルラにやってて、これくらいじゃカムパネルラには効かないから進化だーっとかって進化してたけど、カムパネルラは完全無視。
カムパネルラ超ブラッキー(笑)
ちなみに、6日夜はボスから無茶振りされてネタ2連発させられて柳原を2回やった。会場からは拍手喝采。本人はかなりビビッてた!
しかも、いつもならボスが突っ込んで慰めてくれるのに、放置されてた(笑)
ちなみに1回目は被っている帽子を進める店員。2回目はカムパネルラがフィッティングルームから出てきたというシチュエーションで、「お客様が来たらちょっとぶかってしてるけど、私が着たらぴちぴちで~」みたいなネタでした(笑)

人だ!と言ったボスが服を脱いで背中をがばって見せるのですが、背中に二枚「ヒ」「ト」と書かれた湿布(?)が貼ってあるのが通常ですが、大阪楽の6日夜は「大」「阪」って書かれていて拍手喝采。
ちょっとときめいた!

もう一個日替わりがあって、「母ちゃんってお前らは子供か!!」「(ジョバンニとカムパネルラ顔を見合わせ)子供です…」ってハモるのですが、そこでカムパネルラに母さんは居ないと言われて不憫に思うボスが、母さんだと思って俺の胸に飛び込んで来い!ってシーンがあります。
そこでまた切れるカムパネルラ。ネタはいろいろあって、ボスのピコピコハンマーをそーっと奪ってボスの頭をぴこんって叩いたり、ボスが「さぁさぁおいで、ナウシカ。ナウシカ…」って言うから「うるせぇよ」って返したり。

ボス発掘は証明のためだと聞かされる二人。
知ってるものは知っている、知らないものは知らない、知ってるものは存在する、知らないものは存在しない。
知っているものは忘れる、知らないものは忘れない、忘れてしまっては存在しなくなる。
ジョバンニに向かって「君が存在するのは皆が君を知ってくれているからだ」と。カムパネルラに向かって「君が存在しなくなったからといって忘れられたら、その存在はなくなってしまう」と。
だからボスが居たという証明のために、皆に知ってもらい、忘れられないようにするために、存在させるために発掘をしているという。
ジョバンニは気付いていなかったけど、ここでカムパネルラはボスから言われた言葉に何か考え込むような怖がるような態度を取っていたから、つまり自分が存在しなくなった、ということをちゃんと知っていたんだなぁ~と思いました。

白鳥の停車場から列車に戻った二人は鳥捕りと出会います。
この人かなり胡散臭いんですけど(笑)
どこへ行くのかと問われて、どこまででもと答えるジョバンニに、良いねぇ、青春だねぇ~みたいなコトを言いながら、歌いだすという日替わりネタがあります。ジョバンニとカムパネルラを引き寄せ、体を揺らして歌うのですが、カムパネルラに突っ込まれる…というネタ。
ここのカムパネルラ、カムパネルラじゃなくて完全に馬場さんですが?(笑)
私が聞いたのはお線香の青雲の替え歌で「青春、それは君が見た光~♪」って歌って、「そりゃ青雲だろー!とかもっとしっかり歌えーとかツッコんで下さいよー!?」って鳥捕りに言われてた(笑)
アメリカ国歌歌ってカムパネルラから「しらねぇよ!!もっとしっかり歌えよ」って言われた。ちょうど大統領選の開票日だったから。マケインがなんちゃらかんちゃらって言ってたけど聞き取れなかった;;
あとTMのget wildだったり。「しらねぇよ!」ってツッコミの返しが「それはダークです、とかもっとしっかり歌えとか言って下さいよー」って。

ガンは手間が掛からずすぐに食べられるから…と差し出され、食べた後、カムパネルラにお菓子だといわれて一旦列車を降りるのですが、高い所に移動して踊る鳥捕り。
体にあう仕事が一番の幸いだという鳥捕りに幸せとは…と考え込むジョバンニ。
ジョバンニの「もしも、かなうなら~」って歌、何度も歌うからかもしれないけれど、かなり耳に残りました。
元気の声の伸びがすごく好きだなぁ。

切符を見に来た車掌さんに慌てたジョバンニが、思わずカムパネルラのポケットに手を突っ込んで探すんですけど、カムパネルラがくすぐったそうに「ないよー」って言うのがむしょうに可愛かった。可愛かった(2回言った←)

鳥捕りが居なくなり、タイタニックで逃げ遅れたカオルとタダシと青年が乗り込んできて。
燈台看守からどうしてこの列車に来たのか?と尋ねられ、タイタニック号が氷山にぶつかって、沈没して渦に飲まれて気がついたらココに居た、と説明します。
そんな話を聞きながら、北の漁に出る父を思い歌うジョバンニ。
辛いことでも幸せに続く経過だという看守の言葉がやけに響いてきました。
一番の幸いって何だろうって…ジョバンニと一緒に真剣に考え込んでしまいましたよ;;
急降下して進む列車の中ではちゃんと座っていられずにあっちへ行ったりこっちへいったりと楽しい車内。
カムパネルラの…というか、ばーちょんの笑顔がたまらなく可愛かったです。むふりv

バルドラのさそりの逸話の歌、結構好きかも。
憲章のさそりのダンスが格好良かった。
さそり座が赤く輝いているのは、生前自分がやってきた罪滅ぼしのために神に乞うて人のために夜空を照らす赤い火になっていたと言う話。

やがて看守が降り、3人も降り、再び2人きりになったカムパネルラに、ジョバンニがどこまでも一緒に行こうというのですが、石炭袋で母を見つけて列車を降りてしまいます。
「母さん!!!!」って叫ぶカムパネルラの声が何度か引っくり返ってたけど…
母を見つけたカムパネルラを不安そうに見遣るジョバンニに胸が締め付けられました。
カムパネルラが降りる直前の「君のため」っていう二人の歌がすごく好きです。

カムパネルラが列車を降り、目が覚めたジョバンニ。
星になってしまったカムパネルラを想って夜空を見上げると、カムパネルラが高い所から歌いだしますが、この歌がこの劇中で一番好きな歌なのですv
このカムパネルラのパートはカムパネルラが存在しなくなったからといって忘れないで欲しいという、離れていても一緒だよ、みたいな感じの歌詞で、今までジョバンニが出会ってきた人たちが次々に出てきて歌いだします。
ジョバンニの未来が明るいような気がする歌で、凄く好きだなぁ。


カテコでは指揮者の大藤さんを舞台上で紹介した後、ジョバンニだったり大藤さんだったり、大阪楽ではカムパネルラだったりの合図でまた大合唱。
このときのカムパネルラはもうカムパネルラじゃなかったね。
あの笑顔は完全にばーちょんだった(笑)
千秋楽は本気でヤバイと思うくらいに笑顔が眩しかった。
あ、ばーちょん好きだわーって感じで見てました(笑)

とても良い舞台でしたよ。
カムパネルラはセリフは少なくても、顔の表情で感情を表している演技が多くて、とても難しかったんじゃないかなーと思います。
でも凄く良かったし、ジョバンニは何だか仔犬みたいで可愛いし…。
期待以上のジョバンニとカムパネルラを見せてもらいました。
DVDはAとBの両方を購入しますよ(てへっ)

これを機に、またひまわりの作品も観に行きたいなぁ~と思いました。
ウォーリーさん脚本の山月記がすごく気になるんですよね。

以上、独断と偏見による感想でした。
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